NGOの設立・法人格取得について
NGOをつくるには、どうしたらよいですか?
法人格をもたない団体(任意団体)の場合は、特に申請や認可などは必要ありません。
まず、団体のミッション※を決めましょう。
ミッション(自分たちの団体は何を目指して活動するのか)を常に明確にし、メンバー間で共有することが重要です。
新しい事業を行ったり、事業の見直しをしたり、講座・イベントの企画をする際など、
あらゆる場面でミッションに照らし合わせてみることで、一貫性のある活動ができるのです。
組織運営面では、ミッションに賛同する人を集めて運営委員会をつくり、団体の方針、
活動内容などは話し合って決定し、継続性のある活動を行ってください。
※ミッション:英語で「使命」を表す言葉。団体の活動目的のこと。
NGOが取得できる法人格にはどんなものがありますか?
(特活)国際協力NGOセンター発行の「国際協力NGOダイレクトリー2004」を見ると、最も多いのは特定非営利活動法人(NPO法人)です。
その他に、公益法人と呼ばれる財団法人や社団法人を取得している団体もあります。
特定非営利活動法人(以下、NPO法人)って何ですか?
NPOに対して与えられる法人格のことで、1998年「特定非営利活動促進法」制定により生まれました。
この法律は、定められた17分野の特定非営利活動を行う団体に法人格を与えることにより、
ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展を促進し、
不特定多数の者の利益(公益)の増進に寄与することを目的として制定されました。
17分野とは以下のことを指します。(2003年5月に改正)
- 健康・医療・福祉の増進
- 社会教育の推進
- まちづくり推進
- 学術・文化・芸術・スポーツの振興
- 環境の保全
- 災害救援
- 地域安全
- 人権擁護・平和推進
- 国際協力
- 男女共同参画社会の形成促進
- 子どもの健全育成
- 情報化社会の発展
- 科学技術の振興
- 経済活動の活性化
- 職業能力の開発または雇用機会の拡充支援
- 消費者の保護
- これらの活動を行う団体の運営などに関する連絡・助言・援助
NPO法人は、以下のような特徴があり草の根の市民団代でも比較的容易に取得できます。
- 資金ゼロでも設立できる。
- 法律の要件さえ満たしていれば設立が認められる。
- 設立の方法は、「許可」ではなく「認証」です。「許可」とは、主務官庁(行政)に団体設立の許しを得ることです。
「認証」とは、所轄庁(一定の事項について管轄し、監督する行政機関)が法律の要件を満たしていることを確認したということです。
もし「不認証」になっても理由が明記されます。
- 従来の縦割り行政の弊害から脱却している。
- NPO法人は省庁から独立した存在であり、分野にとらわれない活動もしやすくなりました。
- 取得までにかかる時間が比較的短い。
- 申請から認証までの期間は4ヶ月以内と設定されています。
- 行政による監督が緩やか。
- NPO法人は情報公開を行う義務を負う代わりに、相当な疑いのあるとき以外は調査・報告を求められません。
(情報公開について、詳しくは、NPO法人格を取得することのメリットとデメリットを教えてください。の項目を参照してください。)
公益法人制度が2008年12月に抜本的に改革され、従来の公益法人(財団法人や社団法人)、中間法人の仕組みが変わり、一般法人と公益法人になりました。
どの法人格にするかは団体の志向によって決められるとよいでしょう。
NPO法人格を取得するにはどうすればよいですか。
NPO法人格を取得するには、まず以下の要件を満たしている必要があります。
- 団体の主な活動がNPO法の定める17の分野のどれかに当てはまること。
- 団体の主な活動が、公益の増進をめざしていること。
- 非営利であること。つまり、利益を会員や理事(運営責任者)など団体の構成員や関係者に分配してはいけないということ。
- 団体の役員として、理事を3人以上、監事を1人以上置くこと。役員のうち報酬を受けてよいのは、3分の1以下であること。
- 政治活動、宗教活動を主な活動としていないこと。選挙活動を団体として行っていないこと。
- 会員の入会、退会に関して、不当な条件をつけないこと。
- 10人以上の会員を持つこと。
- 暴力団でないこと。またその統治下にないこと。
上記の要件を満たした上で、特定非営利活動法人設立の申請手続きを行います。
法律に定められた書類(定款、役員名簿、設立趣意書など)を添付した申請書を所轄庁に提出し、設立の認証を受けます。
申請窓口となる所轄庁は、団体の事務所がある都道府県です。事務所が二つ以上の都道府県にある場合は、内閣府となります。
NPO法人格を取得することのメリットとデメリットを教えてください。
NPO法人格を取得するメリットには以下のようなことが挙げられます。
- 契約の主体になれる
法人名で銀行口座を開設、資金の調達・借り入れ、事務所の賃貸借契約などができます。
- 受託事業や補助金を受けやすくなる
- 公的施設を利用しやすくなる
- 社会的な信用につながる
法人格を取得することで、以下のような義務も発生します。
これらは団体の活動以外に費やされる事務的なコストや時間、労力を増加させることにもなり、団体によってはデメリットといえるでしょう。
- 情報公開の義務が生じる
- 毎年度始めに、昨年度の事業報告書、会計報告書等を所轄庁に提出しなければなりません。これらの書類は、一般に閲覧されます。
- 法律に則った運営をしなければならない
- 総会や理事会を定期的に開催するなど、法律に則った団体運営を行わなければなりません。
- 納税の義務が生じる
- 収益事業による利益に課税される法人税のほか、住民税を支払わなければなりません。
認定NPO法人とは何ですか。
NPO法人のうち、一定の要件を満たしているとして国税庁長官の認定を受けたものに対して、「認定NPO法人」という地位が与えられます。
認定NPO法人に寄付をする場合は、税制優遇措置が受けられます。認定NPO法人の地位は、認定を受けた日から5年間有効です。
現在、認定の有効期間内にある法人は136法人(2010年5月1日現在)です。
国連認定NGO(国連特別協議認定資格)とは何ですか。
国際連合(以下、国連)の経済社会理事会によって協議資格を認められたNGOのことです。
国連は、加盟国政府の代表が集まって国際的な課題を討議する場ですが、民間団体からの助言や情報が必要とされるのです。
そこで、国連憲章によって国連の活動に関連する活動を行う民間団体との協力を規定しています。
協議資格を認められたNGOは、国連が主催する会議への出席や発言、声明書提出の権利が与えられます。